地方が置かれている状況

最新のテクノロジーの利用というと、リテラシーや予算の都合もあり都市部での利用が先行されがちです。しかし少子化や働き手の不足という2020年の状況を踏まえると地方こそEdTechを活用した新しい教育スタイルが求められています。

日本の子供の人口は年減り続けており、年間で産まれる子供の人数は2018年に91万人台、2019年はついに80万人台にまで減少する見込みです。

出展:2019年6月7日 日本経済新聞

合計特殊出生率グラフ

人口を維持するために必要な合計特殊出生率は、2.07〜2.08と言われていますが、子どもを欲しいと考える夫婦らの希望がすべてかなった場合の出生率「希望出生率」が1.8ですので、全ての夫婦に望まれた人数の子供が生まれたとしてしても日本の人口が増えることはありません。

特に地方では人口減が顕著で、若い世代が都市部へ流出することで子供が減り、十分な生活環境がないため、さらに都市部に移住していくことで、次の世代が減っていくという循環に陥っています。

私の出身地である茨城県も例に漏れずで深刻な少子化問題を抱えています。何せ自分自身が前述の都市部への移住者で、大学進学とともに上京し、結婚し子供が産まれた今も東京で生活しています。

自分が通っていた小中学校も統廃合され、地元で生活している友人からも子供がどんどん少なくなって大変だという話をよく聞きます。

働き手不足

さらに輪を掛けて、子供だけでなく教える側となる先生の人数も減っています。働き手不足の中で新規の採用ができない上に、人口が減るエリアでは魅力的な仕事が減少することで、さらに都市部への流出を加速させるという事態が起こっています。

出展:パーソル総合研究所「労働市場の未来推計 2030」

地方における教育の現状

ベースとなる日本の教育システムは素晴らしく、日本全国どこに住んでいても義務教育がしっかり受けられる環境が整備されていることは素晴らしいことです。しかし高校以上になると教科も専門的になってくるため少人数の先生ですべての教科に対応するというのは至難の技です(数3C、物理などを教えられる人材は限られていますよね)

2020年からは小学校でもプログラミングや英語の授業が本格的にスタートします。これら全てを教えろというのはさすがに無理があります。

学校環境だけではありません。民間の学習塾においても似たような状況が発生しています。子供の数が減ると先生の頭数を減らすしかない、さらに生徒の数が減ると、採算が合わず郊外では教室が作れなくなります。

中核都市から郊外に先生を都度派遣することもあるそうですが、移動距離も長いため交通費も掛かってしまいます。実際、東北エリアのある塾では90分の授業のために片道2時間近くを掛けて新幹線を使って派遣している話も聞いたことがあります。

EdTechなら解決できるのか

このような状況はEdTechなら解決できるのでしょうか。答えは「Yes」です。

例えばリアルタイムのビデオチャットシステムがあれば距離的制約を排除することができます。先生は都市部や地方関係なくどこからでも授業行うことができ、特定の教科が得意な先生が都度授業を担当すればより質の高い教育が可能になります。

1対1のレッスンだけでなく、生徒それぞれが離れたところから同時にアクセスし、複数人でグループレッスンを行うことも可能です。英語のディスカッションやプレゼンもチームで切磋琢磨しながら楽しく行うことができます。

リアルタイムの対先生との授業だけでなく、タブレットのアプリを活用した自主学習も有効です。紙ベースの決まった順番だけで理解するのではなく、全てのログが取れますので、生徒の理解度に応じた問題を出題することもできます。

最近ではAIを組み合わせ、苦手と予想される問題までも出題され、さらにはその解き方や数学であればその基礎となる問題から順を追った構成で問題が表示されるといった機能まであります。

また、インプットに関しても自分のペースで進めつつ、わからないところは、動画など細分化されたコンテンツを能動的に確認するスタイルが良いとされています。

ちなみに、動画配信授業は以前から存在していました。特に某進学率が高い予備校の授業が有名ですが、子供たち全員が真面目に動画を見ると思いますか?優秀でモチベーションが高い子供たちなら別ですが、私だったら寝ます(実際寝ていました)。一方方向の授業では退屈ですし、他の生徒のわからないところに合わせてすでに理解している箇所を説明されても効率が悪いだけです。

未来の教育環境

こういった環境が整備されると、民間の塾も講師を各教室に在籍、派遣する必要もなくなりますので、将来的には学習塾という物理的な教室は必要なくなるかもしれません。自宅にいながら学習ができ授業が受けれますので、学習塾はコンテンツやシステムなどのソフトウェアで優劣が決まる時代がくると予想されます。

子供たちも移動の時間がなくなりますので、空いた時間を有効活用できます。ゲームや友達と遊んだり好きなことに時間を使っても良いですし、学校の教科以外の自分が興味がある分野のスキル習得に費やすことも良いです(ドワンゴが運営しているN高の考え方に近いです)

日本が抱えている人口問題に関してもEdTechは有効と言えます。働き方改革が求められている昨今、先生側の働き方、活躍の仕方も変えることができます。最初の一歩はタブレットやアプリ=遊びという固定観念を捨てることです。素晴らしいコンテンツが増えてきていますので、体験してみると考え方も変わると思います。まずは自分で試してみてはいかがでしょうか。