無学年学習とは?

皆様は「無学年学習」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?本記事では現在注目されている無学年学習について、注目されるに至った背景やメリット/デメリットについてご紹介します。

まず、無学年学習は学校の学年のような年齢の区切りに応じて割り振られる学習ではなく、学ぶ個人の学習進捗やレベルに応じて学ぶ内容が変わる学習方法のことを指します。

これまでの学習方法は、「学年方式」と呼ばれる形式で、同じ学年(年齢の)生徒が学校や塾の教室に集まり、先生が黒板を使いながら解説していくスタイルが主流でした。子どもたちが教科書、ノート、筆記用具を用意し、教科書を参考にしながら、先生の解説に合わせてノートを記入し、必要に応じて質問を行っていく流れは私たち自身が受けてきた教育方法ですのでイメージしやすいかと思います。

学年方式の課題

学年方式の場合、たくさんの子どもたちが同じ場所に集まり一斉に授業を受けることができたため効率的でした。特に人口が増えていた時代には、少ない大人(先生)に対して子どもが大勢いましたので、個別に指導する方式には限界があったため時代に適していました。

学習内容についても、基礎から応用までの学ぶ順番や学び方が文部科学省(旧文部省)が主導し、学年に応じたカリキュラムが決まっていたため、定められた学習内容を習得すれば、卒業と同時に一定水準の教育が施された状態が完成していました。

上記の結果日本の教育水準は世界でもトップクラスになり、戦後の日本経済を支える人材を輩出し続けたという意味では成功だったと言えると思います。

一方で課題もありました。それは「個人の得意・不得意の差」です。当然子どもには個性同様、学習内容への理解度や理解速度に差が生じます。教科の好き嫌いから得意・不得意も出てきますので、学年が進むにつれて差が広がるということもしばしばです。

全員が決められた内容で一律で進める学年制学習は、1年や1学期単位の学習進捗が定められているため、十分な理解や不得意な単元であったとしても次の内容にどんどん進まざるを得ません。英語や算数・数学など積み重ねが必要となる教科の場合、新しい内容を授業で説明されても、前提となる基礎が身に付いていないため当然理解できませんし、ますます不得意、嫌いになってしまいます。

また、逆に得意な教科の場合、理解が十分ですのでより応用問題に取り組むことが理想ですが、クラス全体の進捗に合わせる必要があるため、理解済みの内容を繰り返して学習することになります。その結果、得意強化を伸ばせないというもったいない状況になることも考えられます。

無学年学習(方式)のメリット

無学年学習は、学年方式の得意・不得意教科を子ども単位で個別にフォローしきれないという課題に対し、学習進捗やレベルに応じて学ぶ内容を変えて、個別最適化するというアプローチをします。

学年やクラスの学習進捗に関係なく子ども個別の理解度に合わせて進めることができるので、苦手科目は分かるところまで遡って学習する(前の学年の内容に戻ってもOK)、逆に得意科目は学年を超えて学習を進めることができ、自分に最適なペースで学習を進めることが可能になります。

無学年学習(方式)が実現できる背景

無学年学習(方式)は子ども個別最適化を行うため管理側する側の手間が大きく掛かります。学校の一つのクラス35名としてもそれぞれ個別で指導する、さらに複数の教科に跨るため現実的に不可能です。

成績(通知表)をつけるのも厄介で、個々人の進捗度合いを教科ごとに把握し相対的に比較し成績をつけていく作業は膨大な時間と労力が掛かります。教育機関においても働き方改革が叫ばれている昨今、時代に逆行するような仕組みは理に反しています。

上記課題を解決する手段が、EdTech(エドテック)と表現される、ITツールを使用した学習方法です。2020年政府のGIGAスクール構想もあり教育の場においてもPCやタブレットの導入が進んでいます。

機械を入れただけでは何も始まらず、何をその上で利用するかが重要になってきますが、無学年学習を実現するためのコンテンツは徐々に増えてきています。

以下にいくつかご紹介します。

RISU算数

RISU-算数

RISU算数は、「算数に特化したタブレット型の子供向け通信教育」サービスです。対象年齢は4歳からの未就学児と小学生です。子どもの学習データを分析し、 1人1人の学習レベル・理解度に合った問題や復習を自動で出題する点が特徴です。

公式サイト

すらら

すらら

『すらら』はゲーム感覚で学習できる対話型アニメーション教材です。 楽しくてわかりやすいのはもちろん、地元の現役学習塾講師の手厚い学習フォロー付き。 小学生高学年から高校生のためのインターネット学習教材です。

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スタディサプリ

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今後重要になってくる学び方

これまでの学年に沿った画一的な学び方は決して間違ってはいなかったと思います。日本は教育水準の平均が世界各国の先進国に対しても高いですし、戦後短期間で経済大国になったことがそれを証明しています。

一方で時代が進み新しい学び方に適用できなかったことも事実です(一種のイノベーションのジレンマなのでしょうか?)。2020年時点では残念ながら世界の先進国から教育環境面では劣っているところもあり、今後の対策が急務となります。

世の中の流れや国の方針としても「得意なところを伸ばしていく」スタンスですし、個性を需要視される世の中にもなっています。他の子どもや他国と比べて一概に「劣っている」というのも何の基準での優劣なのかはさまざまな意見がありますが、子どもたちが興味を持ってもっと知りたい、学びたいという気持ちを応援できる教育環境を整備することが大人には求められています。

OECD Better Life Index Education