ハイブリット形式の塾を提供開始

2020年12月8日にatama plus社から『栄光、通塾とオンラインを組み合わせた「atama+ビザビ」を新設 2021年3月より首都圏の「栄光の個別ビザビ」204校で提供』の発表が行われました。

栄光、通塾とオンラインを組み合わせた「atama+ビザビ」を新設2021年3月より首都圏の「栄光の個別ビザビ」204校で提供

タイトルの通り必要な時は塾に通い、先生の指導を受け、それ以外の時間は自宅で学習を行うことによりより効率的に学ぶことができるという先進的な取り組みです。

以前の記事でご紹介しましたが、この形式は今後のスタンダードになっていくと(なっていくべき)と考えており非常に興味深い取り組みです。atama plus社からの発表を中心に詳細についてご紹介します。

「atama plus」とは何か

「栄光の個別ビザビ」は聞いたことがある方もいると思いますし、これまで実績がある通塾形式の学習塾なので、提供されるサービス内容や学習形式についてイメージを持ちやすいと思います。

一方で「atama plus」がどういったサービスなのかをご紹介した上で今回の取り組みの詳細をご説明します。

AIで、一人ひとりに、最短で「わかる!」を。

上記のメッセージをサービスのビジョンとしており、AI教材「atama +」を提供しています。これは、塾・予備校向けに提供しているAIを活用したラーニングシステムで、全国で2,000教室以上の塾で採用されています。「AI×人」という両者の強みを融合させ、中高生向けに、一人ひとり100%カスタマイズした学びを目指しています。

世界にひとつの、「自分専用カリキュラム」

AIが一人ひとりすべて違う理解度・学習履歴・ミスの傾向などに合わせ、世界にひとつだけの、自分専用カリキュラムを自動作成します。

AI学習の最大の強みは、問題が解けないつまずきの根本を解消し、従来の何倍もの効率で力をつけられる『さかのぼり学習』です。わからない単元がある場合、原因は「それ以前の他の単元(しかも複数)の理解不足」ということがほとんどですが、生徒はもちろん、実は先生でさえ、その根本原因を突き止めるのは困難です。

atama+のAIは、データ解析によりこの原因を特定し、学年や単元の壁を超えてさかのぼり、①「何を」②「どんな順番で」③「どのくらいの量」やればよいか、一人ひとりに具体的にナビします。atama+のカリキュラムのパターンは、実に1億2036通り以上。その中から一人ひとりの課題や弱点を最短・最速で解消するルートを見つけることができます。

atama plus さかのぼり学習のイメージ
さかのぼり学習

AI×人のベストミックス、万全コーチング

AIが生徒の集中度や学習の進捗をリアルタイムで解析、先生のタブレットへレポートします。一人ひとりのコンディションをデータで「見える化」した上で、①いつ、②どんな声がけをすると効果的か提案してくれます。

これらが実現するのは、「ティーチング」と「コーチング」の分担です。生徒の強み・弱みの解析やカリキュラム作成など、ティーチング領域ではAIが人にはできないレベルのサポートを行います。一方先生には、コーチングの役割に特化し生徒に寄り添い、目標へと伴走する。学習の姿勢・方法をサポートします。

AIで実現する、塾と家庭でのシームレスな学び

atama+は、EdTech(エドテック)を活用したクラウドベースの学習ステムのため、場所を選ばず利用することができます。家庭でも塾の教室と同じ学習環境が用意できるので、塾での学習データをもとに家庭でも最適化された学習を行うことができます。

atama+の学習の詳細(中学生)

これまでの取り組みと開講の背景

「栄光の個別ビザビ」では、2020度より135校にてatama+を導入し検証を進めてきており、その結果、幅広い学力層において、生徒の成績が向上したそうです。

具体的には、2020年10月に中高生を対象として、直近2回の各中学校・高校における定期テストの得点を調査しました。定期テストに出題される範囲の単元を、atama+で目標に設定して学習を進め、80%以上習得した後に定期テストに臨んだ生徒のうち、数学では70%(n=46名)、英語では75%(n=44名)の生徒の得点が伸びていたことがわかりました。

生徒からの反応も非常に良く、さらに利用時間を増やしたいという要望もあり、生徒一人ひとりに必要な学習量を確保し、学力向上に貢献することを目的に今回の新コース「atama+ビザビ」が生まれたそうです。

これまでの通塾型の授業はそのままに、さらに自宅でもオンラインでatama+の授業を必要なだけ受講できるだけでなく、通塾の負担軽減や新型コロナ感染症回避といったオンライン授業の良さを活かすこともできます。

新コース「atama+ビザビ」2021年3月より、首都圏の「栄光の個別ビザビ」204校にて開始されます。

「atama+ビザビ」概要

「atama+ビザビ」では、1科目あたり週1回の通塾授業で、講師が生徒と一緒に学習目標を決め、1週間の学習プランを作成します。生徒は学習プランに沿って、自宅で必要な分だけatama+で学習を進めます。講師は、生徒の自宅での学習状況や進捗などのデータを、講師向けプロダクト「atama+ COACH」で確認し、学習プランの立て直しや学習方法の指導といったコーチングを行います。

「atama+ビザビ」受講スケジュール例
「atama+ビザビ」受講スケジュール例

特徴的なのは、atama+の利用時間に関わらず、受講費は教科ごとに定額で、これは人が介在しない事によって得られるメリットです。

まとめ

ここまでご紹介してきたように、EdTech(エドテック)を活用したAI学習によりより効率的に学習を行うことができるようになってきました。従来型の詰め込み型で躓いたらそこで終わりではなく、さかのぼり学習により後から挽回することも容易になります。

「これから塾の講師が不要になるのでは?」と思われる方もいるかもしれませんがatama plus社が提唱するように、講師による「コーチング」は必須です。子どもたちが自ら進んで目標設定をしたり、モチベーションを維持することは難しいため、これからも講師のサポートは必要です。

コーチングは会社の経営者にも必要と言われているような重要な役割ですので、今後塾の講師がコーチングに割く時間が増える点でも素晴らしいと思います。

また一方で、atama plusのようなAI学習があれば完璧かというとそうではなくまだ課題があります。具体的には対応できる教科です。現在提供されている科目は、以下のように理数系のみです。

中学生:英語、数学、理科
高校1、2年生:英語、数学、物理、化学

「さかのぼり学習」が効果的に発揮できる教科・科目が中心になっていると予想されますが、この中でも英語に至っては文法等の手法の積み重ねを必要とする分野は効果が期待できますが、スピーキングは自分自身でいかに発話するかが重要になってきますので効果が限定的です。

他にも国語のような記述が必要になるものや社会などのように体系的に記憶する必要がある教科、科目についても現在は未対応です。

当然atama plus社も想定はしていると思いますし、もしかしたら既に開発中かもしれませんが今後の展開に期待したいと思います。

参考:EdTechはリアル学習を代替できるのか