グループレッスンの仕組み

オンラインレッスンといえば生徒1名に対して先生1名のマンツーマン形式をイメージされる方が多いと思います。スカイプを使った英会話をはじめとして、コストを抑えながら一人当たりのレッスン時間を最大化させるというメリットを最大限享受するための仕組みでもあります。

一方で最近はグループレッスン形式のサービスも増えてきました。先生が一人につき生徒は3〜8名ほどの事例をよく聞きますが、レッスンの内容や対象とする年齢によって様々な形式があります。予め予約し決められた時間に生徒が集まり、複数名でディスカッションをしたり順番にプレゼンを行うというカリキュラムが一般的です。

例として子供を対象とした英会話のサービスだと、英語のスキルだけでなく年齢も加味したグルーピングが行われることが多いです。先生の指示に従って順番に自己紹介をしたり、先生が出題するクイズを順番に答えるといったコンテンツが用意されています。

先生の役割も、一人の生徒と向き合う構図から先生がファシリテーターになり、全体の進行管理を管理し、生徒同士のコミュニケーションも促します。

生徒にとってのメリットとは

マンツーマン形式とグループレッスン形式どちらが優れているのかについては様々な意見があると思いますが、(もとも子もありませんが)「どちらも良いところがある」が私の意見です。

それぞれのメリットを挙げてみます。

マンツーマン

・一人当たりの発話量が増えるので、アウトプットの時間が十分に確保できる

・内向的な子達が自信を身につけられ、積極的な英語の使用につながる

・「競争」要素がないので、プレッシャー無く学習を進めていくことができる

・学習者のスピードに合わせることができるので、元々大人よりも認知スキルの低い子どもたちにとって、じっくり英語を学ぶ機会となる

グループレッスン

・生徒相互の競争意識の活用、他の生徒の状況を参考にした気づきの機会の増加 

   ・先生と他の生徒との会話を聞いて、自分の考えを形成するというコミュニケーション訓練の機会になる

   ・英語能力だけではなく社会性の育成にもなる

・生徒間でscaffolding(足場架け=英語力が比較的高い子が低い子に刺激を与える)が生じて、個人だけだったら得ることができない学びが得られる

・比較的大人数のインタラクションを通して「最近接領域(=自分だけの力では発揮することが難しい能力、ポテンシャル)」の発達を促す

グループレッスンが生まれた背景

大きく2つあると考えます。

1.技術の発達

オンライン学習サービスの初期は、スカイプを使った形式が主流でした。IDを交換し、先生とコンタクト追加のリクエストを送り承認してもらった上でレッスンを始めていました(逆パターンもあります)。通信の品質も不安定なこともあり、特に通信速度が遅いとまともにレッスンができませんでした。

近年は家庭向けの光回線の普及率も上昇し、通信速度が早く安定したことによって十分な帯域を確保でき安定性が増しました。さらにデバイス側の機能も進化し、映像の処理速度やカメラの性能も向上したことによってクリアな動画を遅延なく送受信できる環境になってきました。

また、ZoomやGoogleハングアウトといったソフトウェア(アプリケーション)側の技術も進化し、1対1だけでなく複数名による同時接続が手軽に安価にできるようになってきたという背景もあります。

2.サービス提供側のコストの高騰

EdTech先進国である中国でもオンラインレッスンの主軸をグループレッスンに動かす動きがあります。以前の記事でご紹介したように、中国のEdTechはユニコーン企業が複数誕生している反面レッドオーシャンになっており、生徒の獲得競争や講師人材の確保のためコストが急騰し、赤字幅が大きくなるという事象が起こっています。

その対策の一つとしてグループレッスンがあります。グループレッスンは受講する生徒側の学び面でのメリットがありつつも、生徒複数に対して先生が一人で済むので原価率が下がるという作用があるため、利幅を確保したいという思惑からグループレッスンに比重が移っている事情もあります。


以上のように、生徒側のメリットも非常に大きいですが、サービス提供側の事情もありグループレッスンが注目されてきています。利用者サイド(生徒)として一度試してみることをお勧めしますが、事業者サイドの事情も理解した上で試せるとより示唆が得られると思います。

グループレッスンの参考例:子ども向けオンライン英会話「GLOBAL CROWN for Group」