2020年6月22日付で横浜市の教育委員会事務局学校教育企画部小中学校企画課が、文部科学省の「GIGAスクール構想の実現について」に基づき「「横浜市におけるGIGAスクール構想の方向性」について」を発表しました。

令和2年度中を目標として、市立学校(小学校・中学校・特別支援学校(小・中学部))に在籍する児童生徒及び教職員に「1人1台」の端末の整備を薦めるとし、小学校・特別支援学校(小・中学部)には「iPad 」を約19万台、中学校・高校には「ACER Chromebook R752T-G2」(Google Chrome OS)を整備することにしたと説明しています。

文部科学省が示した3つのOSの端末モデルの中から、機能、費用などハードウエア的視点だけではなく、教育的視点や教育現場の声など、様々な視点を考慮し、検討した結果、小学校では、情報活用の技能として、低学年から「目的に応じて、写真や動画を編集することができる」能力を育むことが求められ、端末を校外に持ち出し、観察や体験の記録などでカメラ機能を活用することが想定される。」とのことです。

また、「コンピュータによる文字入力、変換ができる」ことが全学年にわたって求められるが、低学年では発達段階や教科等の関連性を考慮し、画面に直接触れながら行う入力や、平仮名やカタカナの文字入力などで入力操作に慣れることが大切であるとし、児童の発達段階に応じた教育現場での活用が期待できるとの意見等から、「iPad端末」が望ましいとの判断に至ったそうです。

iPadが19万台も導入されるということに驚きですが、小学生低学年からiPadのような最新デバイスで慣れ親しむ子供たちがどのような成長を見せてくれるのか楽しみです。

一方で気になる点としてはセキュリティ対策です。iPad(iPadOS)には「スクリーンタイム機能」が標準で搭載されているため、機能としての対策は十分です。

参考:スクリーンタイム機能とは?

iOS12から搭載されたスクリーンタイムとは、iPad/iPhoneをどの程度の頻度で使用しているか、よく使用するアプリは何か、持ち上げた回数、各アプリからの通知の数、などの統計を取ってくれて、 スマートフォンの使い過ぎを減らすのに役立つ情報を提供してくれる機能です。 またカテゴリ別/アプリ別に、1日あたりのアプリの使用時間を制限することが可能です。 さらに自分だけでなく、家族のスマートフォンの使い過ぎも制限することができます。 

https://www.apollomaniacs.com/ipod/howto_touch_screentime.htm

しかし、ガチガチに縛りを入れてしまうと学校指定のアプリしか使えない、魅力が乏しいものになってしまいますし、ある程度自由に使うことで(失敗も含め)良い経験になっていくのではないでしょうか。

どこまでは良くてどこからが悪いと言った明確な線引きは難しいですが、学校と子供に任せっきりにするのではなく親子でしっかり相談し、共にリテラシーを高めていく努力が必要になります。


GIGAスクール構想にあたり他の自治体でもデバイス選定が進んでいます。

兵庫県、1万6000台の「Surface Go 2」を県立高校に配備

東京都渋谷区が区立小中学校のすべての児童生徒向けに「Surface Go 2」を 12,500 台導入

文科省の標準仕様書で推奨されているOSはマイクロソフトの「Windows」、Googleの「Chromebook」、アップルの「iPadOS」の3種類で、各自治体での端末の選定基準、仕様の策定には下記の注意点が必要としています。

①新学習指導要領におけるICTを活用した学習活動を具体的に想定すること。
②ICTを活用した学習活動を踏まえ優先的に整備すべきICT機器等と機能について具体的に整理すること。
③必要とされるICT機器等及びその機能の整理に当たっては、限られた予算を効果的かつ効率的に活用すること。
④学習者用コンピュータは先端技術を取り入れた高価・高性能な機種である必要はなく、むしろ不要な機能をすべて削除した安価なものを時代に合わせて更新していくこと。
⑤従来の端末に集中したオンプレミス型よりも、適切な通信ネットワークとパブリッククラウドによるクラウドコンピューティングを基本とすること。
⑥調達に当たっては、サプライチェーン・リスクに対応するなど、サイバーセキュリティ上の悪影響を軽減するための措置を必要とすること。

詳細は下記ページが詳しくまとめてありましたので参考まで。

GIGAスクール構想とは(1) 1人1台学習者用端末の標準仕様をチェックする

GIGAスクール構想は大きな予算が動きますので、今後のマイクロソフト、Google、Appleの三つ巴の戦争の動向にも注目です。各社K-12の注力は将来のマーケットシェアを取るための重要な位置付にもしていますので、今後自治体別の獲得シェアも調査してみようと思います。

参考:GIGAスクール構想とは?