EdTechの本領発揮

最近ニュースで、コロナウィルスの感染拡大を阻止するため学校休講に伴い、デジタル教材を活用した自宅学習が注目されています。

経済産業省が主導する「未来の教室」

Yahoo!きっず 「おうち学校」

その他通常は有償提供しているサービス事業者が期間限定で無料プランを提供するなど、各社子供たちの学習に空白期間ができないよう支援に乗り出しています。

私もEdTechに関わる人間として少しでもこれを機会に、オンラインレッスンをはじめとするデジタル活用が進んでいくこと期待しており、EdTechが日本に浸透する機運が高るきっかけになると考えています。(他方で、便乗商売での炎上リスクを回避の行動も大切で、こういった状況だからこそいつも以上に誠意ある事業運営が大切です)

リアルのリプレイスだけで良いのか?

EdTechが浸透していくことは大変良いことですが、学校や塾の動きを見るといくつか気になることがありました。それは代替手段としてデジタルテクノロジーを活用するものの、あくまでも「これまでの授業の置き換え」として捉えていることです。

言い換えると、導入の判断基準や思考が今の本の教科書と黒板(ホワイトボード)を使っての対面式授業を、どれだけクオリティを落とさず、やり方を変えずにオンラインで代替できるかに主眼が置かれているということです。

もちろん今は緊急事態ですのでゼロベースでの設計は難しいですが、単なるリプレイス前提で導入すると、結局リアルが良いじゃないかという結論に至る危険性が出てきます。

対面のリアル授業は、過去何百年にも渡ってブラッシュアップされてきた形式です。それがこの10年で出てきたテクノロジーと比較するのは酷な話ですが、それぞれ得意不得意があるがあることを理解した上でベストな活用方法を議論・研究していくことが求められているのではないでしょうか。

EdTechを活用した学習の良いところ

リアル形式の授業の代替ができないからやりにくい、使えないは間違っているということを前述しましたが、EdTechの強みがどこにあるのか改めて整理したいと思います。

①距離的制約の排除

教える側と教えられる側が物理的に近い距離にいることが条件でしたが、テクノロジーの進化により、リアルタイムで双方向でビデオチャット形式で会話ができるようになりました。遠くにいる特定の教科(もちろん勉強の教科だけでなく体験、習い事全てです)が得意な先生から直接教えてもらえるといったことが可能になります。

②自主学習の効率化

紙の教科書で暗記する、問題を問くだけでなくインタラクティブな機能を活用しビジュアル的にも楽しく勉強ができるます。アプリを中心としたビジュアル的にも充実したコンテンツも増えています。間違えた問題を自動で記録し重点的に復習するなど理解度を効率的に高めることもできます。

③学習データの可視化

デジタルですので全ての記録を残すことができます。学習時間や解いた問題数、間違えた問題の記録といったデータを残し後から確認することができるのはもちろん、間違えた問題から苦手な傾向を分析することも可能です。

リアルとデジタルの融合

これから求められていくのはリアルな場での対面式授業とEdTechの両方を組み合わせたハイブリット形式が重要になっていくと考えています。EdTechが優れているから全てリプレイスするべきだという偏った考え方も危険です。

リアルの置き換えだけでなく、リアルの良さを維持しつつEdTechが付加価値を乗せていくことが必要です。

何より忘れてはならないのは、子供たちが楽しくたくさんのことに興味を持って学習できることが目的です。便利なツールが出てくると導入するための方法を探すことに思考が偏りがちですが、手段が目的化しないよう我々は常に気をつける必要があります。

余談

私は本記事からもご理解いただけるように、EdTechの積極推進者ですが、いきなり全てをEdTech、デジタルにすることは、教える側も教わる子供たちもやりにくいだけと考えています。マーケティング視点で考えたときに、時代の一歩先を見せても誰も使ってくれません。提供者の独りよがりです。必要なのは「半歩先」を提示することです。今の環境をカバーしつつ新しい価値をチラ見せし少しずつ観点を変えていくことが重要です。

https://kids-learnings.com/2020/04/21/future-edtech/