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GIGAスクール構想推奨のChromebookを使ったことはありますか?
GIGAスクール構想で文部科学省が推奨しているOSはマイクロソフトの「Windows」、Googleの「Chromebook」、アップルの「iPadOS」の3種類です。「Windows」や「iPad」を実際に使ってみたことがある方は多いと思います。Windowsは仕事で使用されている方も多いですし、普段はMacをメインで使い方も一度は触れたことがあるはずです。また、iPadについては子どもがいる家庭での保有率も増えてきていますし、日本はiPhoneの市場シェアが50%ほどあるので、iPadと同じiOSに広げてみると多くの方が使用しているはずです。
一方で、「Chromebook」については名前は聞いたことがあるという方は多いと思いますが、実際に使用したことがあるという方はまだまだ少ないのではないでしょうか。
そこで今回は、「Chromebook」についてその特徴や子どもたちが使う上でのメリット/デメリットを考察していきたいと思います。
Googleが開発した低価格コンピュータ
Chromebookを理解する上でまず認識しておく必要があることは、「Googleが開発したChromeOS上で動くパソコン」ということです。つまり、ChromebookはWindowsもMacOSでもない第3のOSということです(厳密には3番目ではないですが、大きな市場シェアという意味で大きく捉えてください)
開発思想としては、動作を軽く安価に提供することでK-12の子どもたちや先進国以外の方にも手に取ってもらえるようにというのがありました。この発想はAndroidに似ているかもしれません。
初期はインターネットへの常時接続を前提とし、全てウェブ上で動かすという発想もありました。今もネットへの接続が推奨されますが、各種アプリケーションをオフラインでも動かすことが可能です。
3つの特徴
Chromebookの特徴を3つご紹介します。
軽いので動作が早い、立ち上がりが早い
ChromeOSは最低限の機能に絞っているため動作が軽いです。電源ボタンを押してから起動までは概ね10秒未満のため電源OFFの状態からでもストレスなく使い始めることができます。また、OSが軽いことに加えアプリケーションも軽量なものが多いのでメモリの節約もできるため動作も安定します。
子どもがメインで使うことを考えると待ち時間は極力少ない方が安心です。せっかく学習するモチベーションが高まっているときに待ちが長いとやる気を失ってしまいますし、毎回の待ちがストレスに感じるようになるとそもそもパソコンを開くということ自体が億劫になりかねません。
価格が安い
Googleの戦略的な面もありOSのマージンが低く設定されていることに加え、前述の通りハードウェアのスペックも必要最低限で済むため価格も安いものだと3万円前後から購入することができます。画面の大きいハイエンドなものでも10万円以内で購入することができるためコストパフォーマンスがとても良いです。
使い勝手が荒いのは仕方がないことです。壊れるのが怖いから使うのを制限するというのは本末転倒ですが、この価格帯であれば壊れたら買い換えるという発想もできるのではないでしょうか。
堅牢なセキュリティ
GoogleによるとChrome OSではすべてのプロセスが「サンドボックス」内で行なわれるため、ウイルス対策が不要とのことです。コンピュータ上に設けた安全な仮想環境である「サンドボックス」を利用し、本体のメインシステムから隔離された空間でファイルの開梱やウェブサイトへのアクセスを行います。さらに、たとえウィルスに感染したページを開いてしまっても、そのタブとシステムは完全に分離されているのでパソコン全体に影響を及ぼす可能性を極限まで下げています。
子どもが使うものなのでセキュリティ面も気になりますが、上記のベースとなる仕組みが強固な点に加え、GoogleがオフィシャルにOSの無償アップデートを保証していますので常に最新のOSを使用することができるので安心です(注:無償アップデートにはインターネット環境が必要かつ、OSのアップデート保証には期間が定められています)
まとめ
Chromebookは安心して手軽に使うことができるというのが最大の特徴です。一方で長時間の動画を編集したり、高解像度の画像を処理することは難しいです。基本的には、ウェブブラウザ上でできることは何でもでき、ネット検索しGoogleスプレッドシートやドキュメントを使いレポートを作ることもできますし、Googleスライドを使えばプレゼンテーションも可能です。もちろん、YouTubeで動画を見たり、写真を管理編集することもできますので、一般的な使用であれば十分すぎるほどの機能が備わっています。
また、Chromebookの中にはタブレットモードに対応しているモデルもありタッチパネルを使用してペンを使用してイラストを描くこともできます。
その他の機能としてAndroidのアプリが動作する点も興味深いです。使用できる機種が限られていたりアプリ側がサポートしていないなど制約はありますが、Androidスマホを使っている方は、Chromebookでも設定さえすれば同じような環境で使うこともできます。
価格も安くセキュリティも安心、動作軽く快適ですので、子どもたちが初めて使う入門機としては最適なのではないでしょうか。