中国はEdTech最先端

EdTechの最先端の国はどこか?と聞かれてみなさんが思い浮かべるのはどこでしょうか?AppleやGoogleはじめとするIT企業の世界王手がひしめくアメリカでしょうか?

実は中国の市場が急拡大しており、2019年には世界最大の市場になると予測されております。その市場規模はなんと約5兆円。日本のコンビニの市場規模が5.4兆円と言われていますので、その巨大さがわかると思います。さらに成長速度も凄まじく、年に約20%のスピードで市場が成長しています。

一方で日本は2019年の推計で約2,000億円で中国とは大きな差が開いています。日本は少子化が進んでいることが市場規模が成長しない原因の一つだと思いますが、それ以外にも中国でEdTech市場が伸びる要因がありますのでご紹介したいと思います。

なぜ中国でEdTechが盛んなのか

中国でEdTechを牽引するのは、VIPKIDや好未来などのユニコーン企業ですが、これらの企業が大きく成長する素地となった背景を理解しておく必要があると思います。私は大きく3つあると考えます。

1.一人っ子政策

中国では、急激な人口増加を抑えるために1979年から2015年まで導入されていた制度で、一組の夫婦につき子どもを一人に制限していました(2016年からは一組の夫婦につき子ども二人に緩和されています)。自ずと両親とその両親(子供からすると祖父母)の合計6名から大切に育てられ、「小皇帝」と言われるほど愛情を一身に受けて育ってきました。

その結果、子供には良い教育を受けさせたいという思いが強くなる、また子供一人に掛けられる予算が多いため、教育投資が増えるという社会背景がありました。

2.海亀族

一人っ子制作により大切に育てられた子供たちは海外に留学するようになりした。理由は、一流の大学を卒業し海外で仕事に就ければ一生生活に困ることがない収入が約束されるからです。中国にも優秀な大学はたくさんありますが、就職面、所得面では海外の方が恵まれていたため、留学先に人気なのはアメリカなどでした。

その後、時代が進み中国の国力が上がってくると、中国政府の方針もあり海外に散らばっている優秀な人材をヘッドハンティングし中国に呼び戻す流れが起こりました。目的は中国の技術力向上で、その推進力として人材を求めていたのですが、給料面等の条件が破格だったため憧れとなりました。こういった海外に留学し中国に戻った人たちを「海亀族」と呼び憧れの的となりました。

3.英語教師の不足と地域格差

上記2点から英語を学ぶ重要性は自然と認知されてきましたが、肝心な英語を教える先生がいないという問題が起こりました。国土の広さや経済成長のスタートが遅かったことから、日本のように全国津々浦々、英語教育が受けられる環境が整備されていませんでした。そこでインターネットの力を借り、アメリカやフィリピンなど英語を母国語とする国とリアルタイムで繋ぐことで地域格差を解消するという取り組みが行われました。

これは、中国語のキャッシュレス 決済が一気に進んだことやアフリカで固定電話が普及する前に携帯電話が普及したような、「リープフロッグ(カエル跳び)」現象と言えるかもしれません。

上記のような時代背景があり、中国EdTechは「英語」学習を起点に急成長してきました。

中国EdTechの特徴

前述の通り中国にはEdTech分野に絞ってもユニコーン企業が複数存在します。代表的なオンライン学習サービスだけでも、「好未来」「猿補導」「作業幇」「掌門1対1」「一起学」「作業盒子「VIPKID」有道精品課」「企鵝補導」「跟誰学」などが存在し、熾烈な競争を繰り広げています。

各社特徴的で先進的なサービスを手掛けていますが、いくつかポイントを絞ってご紹介します。

1.英語は北米の先生

VIPKIDの事例ですが、講師はアメリカのプロの講師が担当します。生徒が支払うレッスン料が高い分、先生の給料も副業ではなくメインの仕事として生活が成り立つレベルを稼ぐことができるそうです。

2.ビデオチャットだけではない

顔とテキストを写してリアルタイムに会話するだけではなく、カメラで撮る生徒の表情をAIが読み、集中力や満足度を数値にします。先生がはその情報を元に授業のやり方を変えることができるだけではなく、先生と生徒の相性を定量化した上でペアリングするということも行われています。

3.オンライン英会話だけはない

英語以外にも、国語、理科、算数等の教科に始まり、ピアノやダンスなどオンライン化されたコンテンツはたくさん存在します。また、全てをオンラインで提供するのではなく、リアルの良いところと組み合わせたハイブリットモデルもあります。

英語から始まり様々なサービスを手掛けている「好未来」の特徴について詳細に記載されているこちらの記事もご参照ください。

中国塾最大手、好未来の全貌を解説ー好未来の3つの強みとは?

まとめ

いかがでしたでしょうか?EdTechが急成長した背景が日本とは異なるとはいえ、日本が学ぶべきことが数多くあります。少子化、先生の人材不足が叫ばれる中、中国の成功事例を取り入れて日本のEdTechのクオリティアップを図るべきではないでしょうか。

中国EdTech企業の中には日本進出を検討しているユニコーン企業もいるようです。実際、経営レイヤーの人物が日本に出入りしていたり、テストマーケを進めている噂も聞きます。日本企業も負けないように、負けないようにだけでなく世界で対等に勝負できるような企業が出てくることを期待しています。

(中国EdTech企業にも課題があり世界展開を急いでいる節もあります。その辺りについては後日書きたいと思います)

出展

市場規模は日本の30倍!?ー成長要因とリスクを解説 

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